痕を起こす(こんをおこす)

膨大な時間と歴史の中で、変貌し続ける猿島には、人や動物や植物や現象が生んだ文字 や線や絵が浮かび上がっています。歴史のファクターとなり得るその痕跡たちは、島の中でまとまっていて、島全体が媒体となり、一つのドローイングのように見えます。そしてそれらのドローイングは、私では決してつくることのできない、複合的で絵画的な魅力が感じられます。触れることの許されないこの遺跡に、ほんの少しでも近づきたいと思い、島のドローイングを辿り、太陽の力を借りて光を灯しました。

Awaken the traces

Amidst the vast expanse of time and history, Sarushima continues to transform, with letters, lines, and drawings emerging—created by people, animals, plants, and natural phenomena. These traces, which could serve as historical markers, are gathered within the island, making the entire island seem like a medium, resembling a single, intricate drawing. The drawings evoke a complex, pictorial charm that I could never create myself. Wanting to get even a little closer to these untouchable ruins, I copied the island’s drawings and illuminated them with light.

SENSE ISLAND/LAND|感覚の島と感覚の地 2024

会期:2024年10月26日(土)ー12月15日(日)

場所 猿島および横須賀市街地(神奈川県横須賀市)

主催 横須賀市、Sense Island実行委員会(横須賀集客促進・魅力発信実行委員会、株式会社アブストラクトエンジン、株式会社トライアングル)

プロデューサー 齋藤 精一(パノラマティクス主宰)

キュレーター 青木 彬(インディペンデント・キュレーター)

アーティストARu(松島 宏佑/雪野 瞭治/藤本 雅司)、碓井 ゆい、菊池 宏子、キュンチョメ、齋藤 精一、SIDE CORE、玉山 拓郎、チェ・ジョンファ、TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH(濱本 奏/前田 梨那/松原 茉莉/山本 華)、水戸部 春菜、三原 聡一 郎、薬王寺 太一、山本 愛子

パフォーマンスアーティスト

asamicro、梅川 壱ノ介、オル太、寺尾 紗穂、灰野 敬二

展覧会概要

2019年に横須賀の無人島猿島でスタートした「Sense Island - 感覚の島 - 暗闇の美術島」。夜の静寂 と暗闇を感じながら、島に点在するアート作品を通じて人間本来の感覚を呼び覚ますことを目的に、開 催を続けてきました。本年は、昨年のリサーチイヤーを経て、猿島だけでなく横須賀市街地にもエリア を大幅に拡げ、「Sense Island」から「SENSE ISLAND/LAND」としてアップデートし、夜間だけで はなく日中も楽しめるアートイベントとしてリニューアル開催いたします。

横須賀は、江戸時代はペリー来航の地として、第二次世界大戦時には要所を守る重要な役割を果たす地 として、そして現在はアメリカの文化が交差する地として知られています。私たちは、さまざまな歴史、 文化、産業が積み重なる横須賀の「地層」に着目し、アートによる時間と大地の可視化と文脈化を「SE NSE ISLAND/LAND」で試みようとしています。

横須賀には、東京湾最大の無人島である猿島や日本最初の洋式燈台として知られる観音埼灯台のある観 音崎公園、現存する世界最古の鋼鉄戦艦・世界三大記念艦「三笠」のある三笠公園などの歴史的要所の 他に、2024年にプリツカー賞を受賞した世界的な建築家 山本理顕氏が設計した横須賀美術館や昭和の 街並みが残るエリアなど文化的拠点も数多く存在しており、「SENSE ISLAND/LAND」の新たな会場 として検討しています。

ぜひ「SENSE ISLAND/LAND」にご来場いただき、アートを通して、日常とは異なる、より特別な横須賀の魅力をお楽しみください。


SENSE ISLAND/LAND とは

「SENSE ISLAND/LAND|感覚の島と感覚の地」は、数万年かけて創られた地球や大地の一部としての横須賀の地形と、数百年前から脈々と受け継がれる横須賀の様々な産業と、近年起こりうるであろう環境や地域の変化を、アート作品というレンズを通して横須賀の地で見つめ直す試みです

Photo by ToLoLo studio 中村マユ